令和8年から公認会計士試験・短答式が大幅に変更へ。配点・問題数・試験時間の見直しにより、受験戦略に影響必至。変更点と今後の対策をわかりやすく解説します。
12月の短答式試験から制度変更!受験生は要チェック
令和8年(2026年)から実施される公認会計士試験・第Ⅰ回短答式試験において、出題形式や時間配分などの制度変更が発表されました。
公認会計士・監査審査会から公表された内容によると、主に「1問あたりの配点」「問題数」「試験時間」に関する見直しが行われる予定です。特に財務会計論・管理会計論といった計算科目では大きな影響が見込まれ、受験生にとっては重要な変更です。
そこで変更の背景と内容、各科目への具体的な影響、今後の学習のポイントについて分かりやすく解説します。
なぜ制度が変わるの?変更の背景とは
これまでの短答式試験では、計算問題を含む科目(財務会計論・管理会計論)において、1問の配点が7点〜8点と高く、問題数が少ない構成となっていました。これにより、1問の正誤が合否に影響する「運に左右される」傾向にありました。
また、試験の趣旨である「基本的な問題を幅広く出題し、体系的な知識を確認する」という目的に対し、出題の偏りや試験時間の不均衡が生じていたことも課題視されていました。
配点の見直し、1問の重みが軽減される
今回の見直しでは、特に高配点で構成されていた財務会計論・管理会計論の問題数を増やすことで、1問あたりの配点を引き下げる方針が示されました。
これにより、1問ごとの負担が軽減され、正確な実力がより反映されやすい試験構成へと変わります。「あと1問正解していれば……」というような、試験後の悔しさを感じるケースも減ることが期待されています。
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問題数の増加、より幅広い出題へ
「基本的な問題を幅広く問う」短答式試験の原点に立ち返り、計算科目における問題数が増加する方向です。
出題範囲が広がることで、知識の偏りや一部問題への依存を回避し、まんべんなく学習してきた受験生が正当に評価される制度に近づきます。
反面、今まで以上に「分野横断的」な学習が求められることになるため、対策の計画性がより重要になります。
試験時間の調整、現実的な対応策も
問題数が増えることに伴い、当然ながら試験時間の調整も予定されています。財務会計論・管理会計論では、現行の時間配分では対応が難しいことから、時間の延長が検討されています。
一方で、現行の試験時間に比較的余裕のある監査論・企業法については、時間短縮の可能性も示されています。1日で全科目を実施するスタイルは維持される見込みです。

各科目の変更内容(予定)まとめ
現時点では詳細な施行内容は未定ですが、以下のような変更が見込まれています:
・財務会計論 現行 200点・120分・28問 → 問題数増・1問あたりの配点引き下げ・試験時間延長
・管理会計論 現行 100点・60分・16問 → 計算問題増加・1問あたりの配点引き下げ・試験時間延長
・監査論・企業法 現行 100点・60分・20問 → 問題数は維持・試験時間短縮の可能性あり
いずれの科目も、合計点数や出題難易度の変更はない予定であり、「出題のバランス調整」が主な目的とされています。

理論と計算の合計点割合も変更ありません。
【参考動画】25年12月以降の短答式試験制度変更に関するガイダンス

2025/05/25
短答式試験の制度変更に関する重要なガイダンスです。公認会計士・監査審査会より、2025年12月以降の短答式試験に関わる制度変更が発表されました。
動画でわかること:
・試験制度はどう変わる?(配点・問題数・試験時間など)
・変更によって受験生にどんな影響があるのか
・CPAの今後の対応方針と学習の進め方
・さらに令和9年以降の試験制度見直しの可能性まで解説
引用 YouTube
受験生への影響、勉強方法はどう変える?
制度変更はあるものの、学習方法を根本から見直す必要はありません。これまで通り、基本に忠実に、全体をカバーする学習が効果的です。
一方で、問題数が増えることによる「時間配分の戦略」や「スピード感あるアウトプット練習」は、今後ますます重要になります。
大手予備校(LECや資格の大原など)では制度変更に対応した講座改訂が進んでおり、受験生は予備校のガイダンスや情報更新を逐一確認することが安心につながります。

今後のスケジュール、令和8年6月に詳細発表予定!
正式な施行内容については、令和8年6月中旬(第2水曜日頃)に予定されている「試験施行公告」にて明示されます。
このタイミングで、具体的な問題数・配点・試験時間が確定し、各予備校や書籍でも最新対策が始まる見込みです。公認会計士の講師のブログなどでこまめにチェックしておきましょう。
さらに注目、令和9年からの合格基準も見直し予定
令和9年以降、公認会計士試験の合格基準そのものが見直される可能性があります。具体的には、短答試験の合格者数を増加させ、論文試験での選抜を強化する方向が検討されています。
これにより、試験全体としては「より多くの挑戦者に門戸を開きつつ、論文で実力を見極める」構造に変化するかもしれません。
【まとめ】不安は不要!冷静に対策すれば大丈夫
令和8年の試験制度変更は、あくまで「バランスの是正」が目的であり、勉強方法を大きく変える必要はありません。むしろ、真面目に学習している受験生にとっては、より報われやすい試験制度になる可能性が高いです。
今後も制度変更の動向に注目しつつ、焦らず地に足をつけた学習を継続していきましょう。